鉄道ファンにとっても、そして一般利用客にとっても重要度が増してきているICカード。
そんなICカード、「どのカードをみんな使ってるの?私の持っているICカードはみんな使ってる…?」と思われた方も少なくないのではないでしょうか。
昨年に引き続き、今年も鉄道系ICカードのランキングを作りました!
ランキング要素には売上、ネイティブユーザー数など色々ありますが、当サイトでは最もシンプルに「発行枚数」と「加盟店数」でランキングを作りました。
単に「発行枚数」だけでは買って使っていないという枚数も含みますので、ここでは使いやすさの指標である「加盟店数」もあわせてランキングに掲載しました。
それでは、今年のランキングを見ていきましょう。(データは2019年7月末時点でのものです)
PASMOの加盟店増加が著しい
順位 | カード名 | 加盟事業者 | 発行枚数 | 昨年比 | 加盟店数 |
1位 | Suica | JR東日本 | 7,616万枚 | +455万枚 | 28万6,100店 |
2位 | PASMO | 関東私鉄 | 3,844万枚 | +445万枚 | 16万4,588店 |
3位 | ICOCA | JR西日本 | 2,148万枚 | +303万枚 | 8万6,998店 |
出典:一般社団法人 金融財政事情研究会『月刊消費者信用』(2019年9月号)
トップ3のカードは前年に引き続いて、Suica・PASMO(首都圏)、ICOCA(近畿・西日本)がランクイン。
前年度は大きかったSuicaの発行枚数の伸びですが、ここに来てややペースが緩まっています。外国人向けのSuicaや昨年8月のみずほ銀行との提携による「Mizuho Suica」も出回り始めていますが、頭打ちでしょうか。
一方で2位のPASMOが大躍進!発行枚数・加盟店数共、大幅に増やしています。いったい何があったのでしょうか
3位のICOCAもまずまずの発行枚数。JR西日本はICOCA利用促進のために昨年9月から「昼特きっぷ」を廃止してICOCAにポイントをつけたり、阪急阪神ホールディングスとの提携など策を打っていますが、PASMOにやや水を開けられ始めています。
昨年と順位変動はなし
順位 | カード名 | 加盟事業者 | 発行枚数 | 昨年比 | 加盟店数 |
4位 | manaca | 名鉄・ 名古屋市交通局 |
679.6万枚 | +58.3万枚 | 2万2,315店 |
5位 | nimoca | 西日本鉄道 | 399万枚 | +33万枚 | 2万1,500店 |
6位 | Pitapa | 関西私鉄 | 332万会員 | +10万枚 | 3万1,000店 |
7位 | TOICA | JR東海 | 291万枚 | +26万枚 | 3万6,090店 |
8位 | SUGOCA | JR九州 | 289万枚 | +37万枚 | 6万5,000店 |
9位 | Kitaca | JR北海道 | 160万枚 | +23万枚 | 2万5,980カ所 |
10位 | はやかけん | 福岡市交通局 | 133万枚 | +16万枚 | 592店 |
出典:一般社団法人 金融財政事情研究会『月刊消費者信用』(2019年9月号)
4位以下も前年と順位に変動はなし。TOICAとSUGOCAは、もうあと2万枚までの差になっています。この増加ペースで行くと来年にも順位が入れ替わりそうです。
後払いで与信審査が必要なPiTaPaは今年から単位が枚数から会員となっています。他のICカードと違って原則的に1人1枚の発行である事から、会員数=枚数以上にならないのがこのランキングではネックですね。
余談:その他ICカードは…?
順位 | カード名 | 加盟事業者 | 発行枚数 | 昨年比 | 加盟店数 |
1位 | 楽天Edy | 楽天 | 1億2,060万枚 | +810万枚 | 65万8,000カ所 |
2位 | WAON | イオン | 7,723万枚 | 不明 | 49万5,000カ所 |
3位 | nanaco | セブン&i | 6,665万枚 | +442万枚 | 49万4,600店 |
専業系・流通系などの鉄道系以外のICカードも入れるとこんな感じ。Suicaの位置はWAONとnanacoの間になります。
全てのジャンルで数えると、圧倒的な王者はICカードのパイオニアである楽天Edyでした。近年は人気のクレジットカードである「楽天カード」にも付帯させるなどの功を奏しているようです。
鉄道系では王者のSuicaですら楽天Edyには及ばず、イオンリテール「WAON」の後を追いかけている状態です。
ただ、2020年春よりSuicaと楽天は提携を結び、楽天ペイにおいてバーチャルSuicaを発行できるようにすることを発表しており、今後両者のタッグによる伸びが見込まれそうです。
総評:PASMOが躍進
出典:PASMO公式サイト
今年のランキングはいかがでしたでしょうか。今年も俄然Suicaがトップですが、ここに来てPASMOの伸びも著しくなってきました。
また、TOICAとSUGOCAの順位逆転も来年は見過ごせませんね。
http://rail-card.com/railc2017/