【2021.9.13更新!】
日本が生んだサムライカード「JCB」
かつては「日本で決済するならJCB」と言われた程にどこもJCB一色でしたが、2021年現在は使用できない店舗も一定数存在しているようです。
具体的に利用できない店舗はどこなのか、また使えない理由は何なのかをまとめました。
具体的に使用不可なところは…?
JCBをメインカードにして初めて使えない店に出くわした。クレジットが使えないわけじゃなくてVISA、Master、Amexは使えるのにJCBは不可。しかもチェーン店。日本国内ならVISA以上に使えると思ってたのに…。
— Jun (@jun_34) June 15, 2017
JCB使えないところ多くない?もう二度とJCBでカード作るのやめよ。
— あひる (@boyisy) January 14, 2020
「JCBだけ使えない」という文言をTwitterなどでちらほら見ますが、具体的にはどこが使えないのでしょうか。
チェーン系店舗
・サイゼリヤ VISA / Master
テナントの貸主がクレジットカード決済を義務付けている店舗を除き、これまで現金のみだったサイゼリヤも、2021年4月末から対応を始めました。但し、JCBは非対応となっています。
・丸源ラーメン VISA / Master / TSキュービック
トヨタファイナンス系のTSキュービックは使用可能。愛知県の企業らしいですね。
・業務用スーパー(一部店舗のみ)
京都府の青野店など一部店舗のみですが、JCBだけ使用できないところがあるようです。
・タムタム VISA / Master
ホビー製品販売店のタムタムは、VISAとマスターカードのみ対応。
ネット系サービス
ネット系サービスにはJCBが使えない店舗が多く存在します。
Twitterとの親和性が高いからか、特に創作系のBOOTHやFantiaで使えないことを嘆くツイートをよく見かけました。
・BOOTH VISA / Master / (JCB利用にはPaypalが必要)
VISA、MasterCardがご利用いただけます。JCB、アメリカン・エキスプレスは「PayPal」を選択するとご利用いただけます。
出典:https://booth.pixiv.help/hc/ja/articles/利用できるクレジットカードはどんな種類がありますか-
・Fantia VISA / Master
・skeb VISA / Master
担当者のツイートで「JCBの審査に落ちた」との記載があります。
・CyStore VISA / Master / AMEX
・ジャニーズショップ VISA / Master /
・シュフティ VISA / Master
・電気工事士試験 VISA/Master/Diners
・treat VISA / Master
申し訳ございません。現在トリートはVISA/MASTER、ドコモ払い、Apple Pay(MASTER)に対応しており、JCBカードは非対応となります。対応の際にはご案内いたしますので、ご理解いただけますと幸いでございます。
— トリートスタッフQ (@treat_staff) February 19, 2020
固有カード専属(と思われる店)
・コストコ Master
2017年までAmex専属でしたが、マスターカードへと切り替わりました。
関西圏ローカル
・スーパーマーケット中村屋
奈良県のローカルスーパー。これまで使用可能でしたが、2021年9月30日よりJCBが利用不可となるようです。
・住友病院 VISA / Master / J-Debit
・京都国立近代美術館 VISA / Master / 中国銀聯
・スーパーフレスコ VISA / Master / 中国銀聯
・サンディ VISA / Master
・魚輝水産 VISA / Master
※店舗によってクレジットカード自体の取扱が可能かどうかが異なるようです。草津店・柱本店などで「当店ではクレジットカードをご利用いただけます。※JCB、アメリカンエクスプレスを除く」の文言を確認しています。
関東圏ローカル
・サウンドハウス VISA/ MasterCard
・日本未来科学館 VISA/ MasterCard/ 中国銀聯/ Suica
北海道圏ローカル
・ 旭岳ロープウェイ VISA / Master / 中国銀聯
近年使用可能になった店舗
決済可能店舗の開拓は徐々に進められており、スシローをはじめとしたJCB使用可能店が2021年になって増えてきているようです。
・スシロー VISA / Master
「JCBが使えない場所」の代表格だったあのスシローが、なんと2021年7月15日から使用可能に。
株式会社あきんどスシロー(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長:堀江 陽)は、一人でも多くのお客様にご利用いただきやすい店舗づくりの一環として、クレジット決済(Visa、Mastercard)、ならびに、各種QRコード決済に対応しております。そんな中、これまで多くのお客様からご要望をいただいておりましたJCBカードによるクレジット決済が、本日からご利用可能になります。
出店:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000200.000049164.html
・ラクマ
Visa/Master Cardだけでしたが、2021年5月26日から利用可能になりました。
いつも楽天「ラクマ」をご利用いただきありがとうございます。
2021年5月26日14時頃より、JCB/AMERICAN EXPRESS/Diners Club 全てのクレジットカードブランドがラクマでのお支払いでご利用いただけるようになりました。
出典:https://news.fril.jp/entry/20210525/jad00
・マックデリバリー VISA / Master
2019年10月頃から使用可能となったようです。
Webまたはアプリでのご注文時にクレジットカード払いが可能でございます。クレジットカードは、VISA、MasterCardのみの取り扱いです。
出典:http://www.mcdonalds.co.jp/cservice/q.193.mcdelivery/
・ブロンコビリー VISA / Master / DCカード等NICOS系
2015年12月1日からJCB・Dinners・AMEX・DISCOVERが使用不可になっていましたが、2019年6月頃から再び使えるようになっています。
・モスバーガー VISA/ Master / 中国銀聯 / JCB / AMEX / Dinners
こちらのページによると2019年3月26日からJCBに対応。
・オタマート VISA/Master
2018年よりJCBに対応
・ガルパンギャラリー VISA/Master/Diners/AMEX
2018年4月よりJCBに対応
・ニンテンドーeショップ VISA/MasterCard
2018年5月よりJCBに対応
・COMIC ZIN VISA / MASTER / NICOS / DC / MUFG Card
2018年7月よりJCBに対応
・いきなりステーキ JCB系/AMEX使用不可に
一時的に使えない状態でしたが、公式サイトによると再び使用可能になったようです。
・ Master of epic VISA / Master
・レノボ直販サイト VISA / Master / AMEX/ JACCS
・タウンプラザかねひで VISA/ MasterCard / 中国銀聯
何故「JCBだけ」が使えないのか?
ところで、「日本発のクレジットカードブランドかつ日本国内での決済」であるにも関わらず、JCBだけ何故使えない店舗が多いのでしょうか。
採用を見送る理由としては、加盟店手数料が高いという理由が挙げられますが、skebのように審査が厳しく、採用したくても採用できない事情もあるようです。
クレジットカードの加盟店手数料は業種ごとに異なり、また内々の情報になるのでハッキリとした出典はないのですが、例えば決済機能そのものを提供するようなサービスからはこう示されています。
「PAY.JP」数行のコードでウェブサイトに決済機能を導入できるサービス。初期費用や月額費用はかからず、決済手数料のみで利用できる。
6ブランドに対応し、決済手数料はVISA・MasterCardが3.0%、AMEX・JCB・Diners・Discover Cardが3.6%で提供する。加盟店審査があるが、最短2日で利用できるという。出典:http://shopping-tribe.com/news/21764/
ブランドごとに手数料の差がある例として、BASEの決済サービスである「Pay.jp」では、VISA・Masterが3.0%、JCBやAMEXなどが3.6%…と書かれています。
このことから、やはりJCBの手数料が高額な説が濃厚となっています。
また、オンライン関係のサービスでは特にJCBの審査が厳しいのか、非対応店が多く見受けられます。
「日本で決済するし、日本企業のクレジットカードだからどこでも使えて安心」…というわけではなさそうです。
使えない場合の回避策
長期的にはVISA/Master Cardをもう一枚契約することをオススメしますが、とりあえず使えない時の代替回避手段としては
という選択肢があります。
そういう事情もあってJCBのシェアが低い…
現在、クレジットカードブランドの国際シェアはVISAが55%、Master Cardが26%、AMEXが3%と8割をアメリカ勢に取られ、我らがサムライカード「JCB」のシェアは僅か1.2%に留まります。
これはすなわち、日本国内でのクレジットカード決済のうち80%近くがアメリカの企業を介して行われ、かつアメリカに決済手数料を取られ続けていることを意味します。
ロシアではJCBが拡大中
一方でロシアでは、2017年にロシアがウクライナのクリミア半島に侵攻したことを受け、アメリカが発動した経済制裁でVISAやMaster Cardなどのアメリカ系企業決済が使えず、和製のJCBカードが普及し始めているのだそうです。
アメリカの経済制裁でVISAやMaster cardが使えないと理由でロシアではJCBが流行ってるという話、めっちゃ好き。
— すぎちゃん (@sugjchan) February 21, 2019
ロシア鉄道の券売機でも、地方のショッピングモールでも、昨年から急速にJCBのマークが増えている。日本人には大変便利。加えてルーブル安の今、ロシア旅行はオススメですよ! #ステマ #ロシア #JCB pic.twitter.com/vo48hE7HQU
— Jun / Джюн (@hitononaka) August 13, 2016
JCB、ロシアの極東銀行と提携し、カード発行および加盟店網を拡大
https://www.global.jcb/ja/press/00000000162634.html
ロシア農業銀、パナソニックと提携したJCBカードの発行を開始:ロシア初の試み
https://jp.sputniknews.com/opinion/201807265161122/
ロシアでのシェア拡大はアメリカと同じ構図で、ロシアの決済を日本企業が決済手数料として得られるメリットがあります。
JCBには頑張ってほしいが…
クレジットカードブランドは今やアメリカ(VISA/Master/AMEX/DISCOVER)と中国(中国銀聯)と日本(JCB)しかありません。
日本人として、世界で3国しか持っていないクレジットカードブランドを誇りに思いますし、JCBカードにはもっと日本人も利用しやすいようなカード施策を行ってほしいところです。
とはいえ、JCBカードは正直上に挙げたように使いづらいのもまた事実なので、しばらくの間は同じ日本製の三井住友VISAカード/Masterカードの2枚持ちをオススメします。