「発行枚数1位!」や「あの人気カードが…!」などなどと、カード会社や比較サイトは謳いますが、その真偽は果たして本当なのか…?といつも思っていました。
そこで今回、日本経済新聞社が出している統計を発見、調査してみたので、そのデータと共にご紹介します。
2015年
カード名 | シェア率 | 前年度比 |
1位…三菱UFJニコス | 12.3% | ▲0.5% |
2位…三井住友カード | 11.7% | +0.1% |
3位…楽天カード | 10.0% | +1.1% |
4位…クレディセゾン | 9.9% | ▲0.2% |
5位…イオンフィナンシャルサービス | 9.3% | ▲0.1% |
取扱高は43兆2237億円。
直近のデータでは、三菱UFJニコスがシェアトップでした。
Nicosブランドは、田村正和のCMで一時期かなり知名度を誇っていたように思いますが、近年は合併などであまり名前を聞かなくなりました。しかしそれでも尚、三井住友カードを差し置いてトップを走り続けています。
また、楽天カードは前年比+1.1%と圧倒的な成長率で3位に浮上しており、さすがは顧客満足度指数8年連続1位のカードですね。
2014年
カード名 | シェア率 | 前年度比 |
1位…三菱UFJニコス | 12.8% | ▲0.3% |
2位…三井住友カード | 11.6% | +-0% |
3位…クレディセゾン | 10.1% | ▲0.1% |
4位…イオンフィナンシャルサービス | 9.4% | ▲0.1% |
5位…楽天カード | 8.9% | +1.4% |
取扱高は40兆4638億円。
この年より楽天カードがトヨタファイナンスを競り落としてランクイン。勢いづいてきてますね。ツートップの三菱UFJニコス、三井住友カードは2015年と変わっていません。
2013年
カード名 | シェア率 | 前年度比 |
1位…三菱UFJニコス | 13.1% | ▲0.5% |
2位…三井住友カード | 11.6% | ▲0.2% |
3位…クレディセゾン | 10.2% | ▲0.1% |
4位…イオンフィナンシャルサービス | 9.5% | ▲0.8% |
5位…トヨタファイナンス | 8.2% | +0.1% |
取扱高は37兆6352億円。
楽天カードの代わりにトヨタファイナンスがランクインしていますが、トヨタ系の車を購入する際にキャッシュバックサービスがあるからか、ディーラーで契約する人が多いんだとか。
2012年
カード名 | シェア率 | 前年度比 |
1位…三菱UFJニコス | 13.6% | ▲1.1% |
2位…三井住友カード | 11.8% | ▲0.1% |
3位…クレディセゾン | 10.3% | ▲0.3% |
4位…イオンフィナンシャルサービス | 10.1% | ▲1.5% |
5位…トヨタファイナンス | 8.1% | – |
取扱高は34兆623億円
2012年もあまり変わり映えがありません。
2011年
カード名 | シェア率 | 前年度比 |
1位…三菱UFJニコス | 14.7% | ▲0.5% |
2位…三井住友カード | 11.9% | +0.2% |
3位…クレディセゾン | 10.6% | ▲2.4% |
4位…イオンフィナンシャルサービス | 8.6% | +0.4% |
5位…セディナ | 6.9% | ▲0.4% |
取扱高は31兆9791億円(この年より経済産業省の統計を使用)
この年から統計の取り方が変わり、「自社発行カード(プロパー)のみをカウント、提携カードは対象外」というルールになっています。このことから、2010年までランクインしていたJCBは対象外となっています。
データは前年度とのつながりがないため、現在のデータと照らし合わせるのはここまでとなっています。
2010年
カード名 | シェア率 | 前年度比 |
1位…三菱UFJニコス | 14.2% | +0.1% |
2位…JCB | 13.6% | +0.9% |
3位…三井住友カード | 13.1% | +0.4% |
4位…クレディセゾン | 7.6% | ▲0.4% |
5位…イオンフィナンシャルサービス | 5.5% | +1.0% |
取扱高は52兆205億円。
先述したように、この年までは「提携カード」も含めた数値なので、2011年度とは若干数値が異なります。
2009年
カード名 | シェア率 | 前年度比 |
1位…三菱UFJニコス | 14.1% | ▲0.3% |
2位…三井住友カード | 12.7% | +0.5% |
3位…JCB | 12.7% | +0.4% |
4位…クレディセゾン | 8.0% | ▲0.4% |
5位…イオンフィナンシャルサービス | 4.5% | +0.1% |
取扱高は48兆2118億円
非接触決済サービスである「iD」が堅調だった影響で、この年より三井住友カードが+0.5%と大幅に躍進して2位に踊り出ています。
総評:Apple payがどの程度シェアを変えるか
7月頃に最新の調査結果が公表されますが、2016年度はApple Payがどの程度シェアを変えたのかが気になるところですね。
非接触決済に強い「iD」を持つ三井住友カードや、「Suica」を持つViewカードあたりに注目が集まりそうです。
(参考)1994年
カード名 | シェア率 | 前年度比 |
1位…JCB | 12.4% | ▲0.1% |
2位…住友クレジット(現:三井住友カード) | 9.5% | ▲0.1% |
3位…日本信販(現:三菱UFJニコス) | 7.3% | +-0% |
4位…クレディセゾン | 4.5% | +0.4% |
5位…DCカード(現:三菱UFJニコス) | 4.0% | +0.2% |
取扱高は13兆4793億円
かなり前のデータも参考用に掲載。バブル崩壊後の日本では、JCBが圧倒的なシェアを誇っていたようですね。
解説
今回のランキングで調査対象内とされたカードは次の通りです。
三菱UFJニコス…MUFGカード、DCカード、UFJカード、NICOSカード
三井住友カード…三井住友VISAカード、三井住友VISAゴールドカード、三井住友VISAプラチナカード等
イオンフィナンシャルサービス…イオンカード
クレディセゾン…永久不滅ポイントの「セゾンカード」、UCカード
楽天カード…楽天カード
トヨタファイナンス…TS CUBICカード、レクサスカード
参考文献
日本経済新聞『主要商品・サービスシェア調査 本社100品目調査』各年号
日本経済新聞『点検 シェア攻防 本社調査』各年号