キャッシュレス界隈で話されるスラング「BOTKJPJT」とは、三菱UFJ銀行のことを指します。
同社で用いられているSwiftコード(BICコード)が由来です。
Swiftコードとは
そもそもSwiftコードとは…という話なんですが、これは国際的に銀行を介して金銭をやり取りする際に、銀行を識別するためのコードのことです。(BICコードとも呼びます)
後述しますが、日本の各銀行にもそれぞれ割り当てがあります。
コードの意味
Swiftコードは8文字になりますが、今回は三UFJ銀行で用いられる「BOTKJPJT」を例に順番に説明していきます。
BOTK
先頭四文字の部分を「金融機関コード」と言います。
最初の「BOTK」とは、Bank Of ToKyo…、すなわちかつて存在した東京銀行のことを指します。
三菱UFJ銀行は様々な銀行が合併した銀行で、その中の1つに東京銀行があります。
三菱UFJ銀行が出来るまで
1996年…三菱銀行と東京銀行が合併して「東京三菱銀行」が誕生
2002年…三和銀行と東海銀行が合併して「UFJ銀行」が誕生
2006年…東京三菱銀行によるUFJ銀行の救済合併で「三菱東京UFJ銀行」が誕生
2018年…現在の「三菱UFJ銀行」へ変更
外国為替を専門的に取り扱っていた東京銀行のSwiftコードを引き継いでいるものとみられますが、同業他社の三井住友銀行(SMBC)やみずほ銀行(MHCB)など、合併に当たって変更している企業も多いので、敢えて残しているといえます。
JP
次の2文字は所在している国を示す「国コード」です。
「JP」、すなわち日本の銀行のことを指します。
これはISO国名コードで定められた様式に従っており、例えばイタリアだと「IT」、デンマークは「DK」になります。
JT
最後の2文字「JT」は、より具体的な場所を示す「所在地コード」です。
海外では様々な例があり、例えばイタリア・ミラノだと「MM」、デンマーク・コペンハーゲンだと「KK」となります。
このうち2番目の文字が数字の場合、以下の意味があります。
0…テスト用コード
1…Swiftネットワークへの受動的な参加者
2…通常送信者が送金手数料を支払うが、「2」は受信者が手数料を払う事業者である
日本では何故かあまり活用されておらず、大多数が「JT」となっています。
例えば大阪に本店を置く大阪シティ信用金庫の場合は「JS」、りそな銀行の場合は「JT」となるなど、都市名との一貫性はあまり感じられません。
いろんな銀行のSwiftコード
三井住友銀行…SMBCJPJT
三井住友銀行は英語名と同様にSMBCとなっています。わかりやすい。
りそな銀行…DIWAJPJT
かつての銀行名である「大和銀行」時代に採用されたDIWAが引き続き用いられています。
みずほ銀行…MHCBJPJT
みずほ銀行は文字通り「MizuHo」…と思いきや、以前存在した「みずほコーポレート銀行(MizuHo Corporate Bank)」から採られています。
日本銀行…BOJPJPJT
通貨発行銀行である日本銀行にもSwiftコードは存在します。
「Bank Of JaPan」から来るBOJPが割り当てられています。
ソニー銀行…SNYBJPJT
ネット銀行である「ソニー銀行」の場合は、SNYB(SoNY Bank)となっています。
「SONY」を割り当てなかったのは親会社との混乱防止なのでしょうか…
auじぶん銀行…JICRJPJT
けったいな名前の銀行である「auじぶん銀行」では、JICRが割り当てられています。
これは同行の英語名である「JIbun bank CoRporation」から来ているものと思われます。
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