Pitapaの利用者は300万人をようやく超えましたが、どうもこのあたりで頭打ちでしょうか。
在阪五大私鉄の中で唯一ICOCAの採用をしていない阪急阪神HDとしては、あくまでPiTaPaの普及を目指している様ですが……
ICカード発行枚数統計
4年前のデータになりますが、平成25年(2013年)3月時点ではこのようになっています。
Suica…4247万枚
PASMO…2227万枚ICOCA…784万枚
manaca…286万枚
Pitapa…235万枚
nimoca…190万枚
TOICA…145万枚
SUGOCA…89万枚
はやかけん…48万枚※四捨五入切り捨て
出典:国土交通省統計『鉄道における交通系ICカードの導入状況について』
首都圏が発行枚数で大きく差をつけているのはさておき、Pitapaは人口比で上回る名古屋都市圏を擁する「manaca」にも発行枚数で負けており、更には西日本鉄道の「nimoca」にまで追い上げられるという事態に。
これが最新のデータ(ただし自社公表)になると、こうなります
ICOCA…1242万枚(2016年3月)
(https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2016_13.pdf)
manaca…430万枚(2014年12月末)
(https://www.kotsu.city.nagoya.jp/jp/pc/ABOUT/TRP0000941/TRF0009194.pdf)
Pitapa…300万枚(2016年12月1日)
(http://www.pitapa.com/whatsnew/00623.html)
nimoca…300万枚(2016年10月18日)
(http://www.nishitetsu.co.jp/release/2016/Information/16_i_155.pdf)
2013年ではmanacaの発行枚数と50万枚の差だったのが、函館地区など異なるエリアへの導入もあって、2016年には一気に引き離されて130万枚差に。更に下からは西鉄が追いついています。
もちたくても持てないPiTaPa
https://twitter.com/207GMP/status/850193186999762945
https://twitter.com/207GMP/status/850194204705775616
PiTaPaは信用調査があるクレジットカードと同じ扱いです。これだけでも相当ハードルが上がってしまいます。
まず、「高校生」はもてません。クレジットカードの発行は18歳以上からで、PiTaPaも勿論含まれます。自動車保有数が少なく、一番の上顧客である学生が全く対象外というのは手痛いですね。
続いて「破産した人」も持てません。起業しつつも残念ながら失敗してしまった人、連帯保証人になってその債務が払えず破産した人、パチンコ中毒者……
これらの人は基本的に車も持てない(例外あり)ので、こういう人達こそ鉄道に乗車する機会が多いのにも関わらず、ジレンマが発生しています。
あとは「無職の人」もどうやら持てない様です。定期収入がないとカード代支払いのあてがありませんからね。
ホンマにそうです!
失業してた時に審査通りませんでしたw。 https://t.co/7tV4P1dxc4— SUGI☆SAKU-No.392 (@shugisaku) April 7, 2017
システム自体は有能
後払いにして利用額に応じた割引をする、というPiTaPaのシステム自体はとても有能なものです。大阪市交通局でも利用額に応じて10%の割引を行うサービスをやっていました。
「PiTaPaデビット」という提案
ピタパも便利だけどなあ。
親がそういうの嫌いって言うから作られへんし。大学生なったら作るわ。— ケヨ線好きのJK (@sora_7_11) April 11, 2017
この方のように、持ちたくとも「親御さんの価値観的にクレジットカードを許容できない」という方もいらっしゃるようで、すでに与信枠を与えたポストペイ方式だけでの展開は限界が見えているように思います。
そこで、Pitapaはクレジットだけでなくデビットカードという選択肢も視野に入れて欲しいところ。
現状与信審査は三井住友カードが行っているようですが、同社はSMBCデビットカードというものも発行しており、技術的はそう困難ではないはず。
デビットカードとは銀行口座と直結したカードのことで、利用料金は使った際に即時銀行口座から引き落とされます。
また、先ほど例に挙げたSMBCデビットなら、VISAのマークが付いたところでクレジットカードと同様に使えます。Amazonやコンビニでも、勿論利用可能です。
この仕組みをPitapaにも導入すれば、クレジット嫌いの方からもそっぽを向かれることはなくなるのではないでしょうか
問題点
ただ、後から指摘して頂いて気づいたのですが、現在のデビットカードのシステムでは、利用時間の制限があります。
おおかたのデビットカードは8~21時までしか使えないですから、朝ラッシュ時や遅くの帰宅時には使えない…という致命的なデメリットが発生しますね。
PiTaPaのシステムを調べてみたけど、社局サーバとセンターサーバの間、センターサーバと金融機関の間のデータ交換がリアルタイムではないようだから、即時決済のデビットカードは難しそう。 https://t.co/RTI6N7EDEnhttps://t.co/Xhan0SokBK
— マーライオン (@merlion1971) April 13, 2017
また、この記事にご意見して頂いたマーライオンさんによると、リアルタイム決済ではないので、現行の仕組み上では実現は難しいのではないか…ということでした
追記
https://twitter.com/tedcube/status/852712962636734466
時代遅れになったj-デビットだとそうですけど、PiTaPaと連携出来るであろうVisaデビットとかJCBプリペイド(LINEペイカードとか)は時間制限ないですよ
— N.(はるさん) (@haru9629) April 13, 2017
先ほどのデビットカードの件は、あくまで「J-Debit」での話で、国際ブランドでのデビットカードは時間制限がないそうです。三井住友系だとVISA系列になるかと思われますがこれで一応利用制限時間の壁…は超えれるのかな?