トワライズ(旧山陰信販)は、特許庁へ自動与信システムの特許を申請しています。
この中で、与信スコアリングシステムにおける興味深い内容が開示されているのでご紹介します。
個人の信用力を数値化したもので、お金を貸す際の参考となるデータです。
銀行や信販会社には、長年の実績から「どんな人ならお金を貸しても返ってくるか、こないか」のデータがあります。
スコアの内訳
ざっと並べると、以下の内容です。<画像はこちら>
評価項目 | カテゴリ | スコアポイント |
性別 | 男 | -20 |
女 | 0 | |
年齢 | (年齢) x (-1) | |
家族構成 | 配偶者あり・子なし | 10 |
配偶者あり・子あり | 12 | |
独身・子なし | 5 | |
独身・子あり | 2 | |
不明 | -1 | |
職種 | 一般職員 | 10 |
役職職員 | 20 | |
個人自営業主 | -5 | |
勤続年数 | 勤続なし/不明 | -20 |
1年以下 | -30 | |
1~3年 | -25 | |
3~10年 | 0 | |
10年超 | 10 | |
返済回数 | カード申込 | 0 |
1~3回 | 15 | |
4~12回 | 10 | |
13~24回 | 5 | |
25回~ | 0 | |
照会件数 | 件数 x -20 | |
契約年数 | 1件以下 | -30 |
2~4件 | -20 | |
5~15件 | -10 | |
16件~ | 0 |
男はマイナス20
まず性差で減点が行われている点に注目。
やはり男性の方がお金を借りるケースが多く、その件数から事故るケースも多いことが理由にあると思われます。
年齢
(年齢)x(-1)となっているので、要は加齢するほどスコアが低くなっていくということになります。
例えば20歳なら-20点ですが、50歳なら-50点ということになります。
家族構成
配偶者(結婚している)ありの場合が、スコアリングが高い傾向にあります。
このあたりはてっきり子供ありの方が高いのかなとも思ったのですが、成人している配偶者がいる方が、何かと生活再建しやすいことが理由なのでしょうか?
職種
このあたりは従来言われてきた通りで、やはり役職職員は高く、自営業者は低い傾向にあります。
勤続年数
意外だったのがこの勤続年数。3年以下の勤務では、スコアにかなりマイナス査定が入ります。
3年を超えてようやくゼロ、10年以上で+10となるようです。
+選別条件
与信は上記を基本としながらも、別件で以下の項目も設定されています。

そもそも与信をしない条件として、
・自社内で支払いの遅延がある
・社内外で直近3か月のスコアに×がついている(返済してない)
・75歳以上で直近1か月のスコアが×
というものがあります。75歳以上はかなり厳しいのですねぇ…
また、上記のスコアリングだけでは不十分で、人の目を通してみる必要があるものとして、以下の条件があるようです。
・自社で融資した連帯保証のある借金の返済が遅れている
・CICに注意情報が載っている
・直近3か月で、間の2か月目は返済しているが、1・3か月目の返済が遅れている
・融資の申込金額が300万円以上
・融資の完済時に80歳以上になる
・CICに載っていない(一度も融資をしたことがない)
まとめ
ちまたで言われている与信内容と概ね合致する内容ですが、勤続年数での大きなデハフなど、意外な側面もありました。
こうして公的データとして開示されると、それに沿った生活をすることで信用力もアップしそうですね。
関連リンク

参考文献
特許情報プラットフォーム『特開2021-163391 特許 有効 (登録公報の発行)』